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労使関係上のコンプライアンス

社会保険とコンプライアンス


社会保険とは、広義の意味で健康保険(介護保険)・厚生年金・雇用保険・労災保険をいいます。

企業の負担が大きいために、特に健康保険と厚生年金に関して強制加入の要件に合致しているにも関わらず、加入をしない企業も増えています。

社会保険庁は厚生年金に加入しない事業所を強制的に加入させる職権適用を今年度中に実施する方針を打ち出しました。(2005年7月)

今秋中に対象事業所を洗い出し、保険料納付に応じない場合は資産を差し押さえる手法を取るとのことです。

◆健康保険・厚生年金の強制適用事業所


強制適用事業所とは使用者、被用者の意思いかんにかかわらず、法律の規定によって当然に保険関係が成立する下記の条件を備えた事業所の事を言います。
  1. 法人事業所で常時従業員を使用

  2. 常時5人以上の従業員を使用している個人事業所
    (第1次産業農業・漁業など・飲食業・サービス業の一部などの個人事業所を除く)


◆健康保険・厚生年金の任意包括適用事業所


  • 従業員が5人未満の個人事業所

  • 適用事業所でない次の事業所は被保険者でなくてよいとされています。
    1. 従業員が常時5人未満の個人事業所
    2. 第1次産業(農林水産業)
    3. 理容、美容の事業
    4. 映画、演劇、その他興業の事業
    5. サービス業 (旅館、料理店、弁護士、社会保険労務士)
    6. 宗務業 (神社、寺院)


◆健康保険・厚生年金の強制被保険者


適用事業所に常用的に使用される者は、本人の意思にかかわらず被保険者(70歳以上の者は老人保健制度と同時加入することになります)となります。これを強制適用被保険者といいます。


使用される人とは 

 (1) 労務の提供があること 
 (2) 労務の対象として賃金を得ていること
 (3) 労務管理などがされていること が基準となります


ただし、厚生年金では適用事業所に使用されていても、70歳以上の者は被保険者とならず、健康保険のみの加入となります。
厚生年金は満70歳になると加入資格がなくなります。
健康保険は年齢の制限は無く、70歳になっても健康保険は引続き加入となります。


事業主や従業員の意思に関わらず、被保険者となりますが以下に注意が必要です。


○パート・アルバイト
一般の就労者の所定労働日数・所定労働時間が4分の3以上である場合は加入させなければなりません
被保険者となるためには、1日のうち何時間以上勤務しなければならないという要件は法律で定められていませんが、常用的関係にあるか否かを目安とします。

○パートタイマーの適用基準
短時間就労者にかかる被保険者の取扱い基準が次のように示されています。
  1. 常用的使用関係にあるか否かは当該就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容などを総合的に勘案して認定すべきものである。
  2. その場合、1日または1週の所定労働時間及び1カ月の所定労働日数が当該事業所において同種の業務に従事する通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数の 概ね4分の3以上である就労者については、原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱うべきものであること
  3. 2.に該当するもの以外であっても、1.の趣旨に従い、被保険者として取扱うことが適当であると考えられので、その認定に当っては、当該就労者の就労の形態など個々の具体的事例に即して判断すべきものであること


◆(強制適用被保険者から除外される者 健保13条の2 厚保12条)


次に掲げるものは一般被保険者となることはできません。
臨時に使用される以下の人

  1. 2カ月以内の期間を定めて雇われた人
  2. 日々雇い入れられる人
  3. 季節的な業務に雇われた人
  4. 臨時的事業の事業者に雇われた人
  5. 所在地が一定しない事業所に雇用された人

【社会保険に関するコンプライアンス違反の例】
千葉県浦安市の「東京ディズニーランド」(TDL)のアルバイト社員のうち勤務時間が長く、社会保険の適用対象となる約1,600人の保険が加入漏れとなっていた問題があり、TDLを経営するオリエンタルランド(同市)は個人負担分約2億1,000万円の保険料全額を会社側で肩代わりしました。
同社は、アルバイトの個人負担分を各自から徴収する方針でしたが、さかのぼって2年分を徴収すると最高で約80万円を支払わねばならないケースもあり、一部でトラブルになりました。「アルバイト社員にとっては突然の出費となり、今回に限り会社負担が適当と判断した」としています。


このように社会保険加入に関するコンプライアンス違反を犯す事で大きな代償を支払うことにも成りかねないので注意が必要です。


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