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労使関係上のコンプライアンス |
労働災害とコンプライアンス
労働者災害補償保険法は、業務上又は通勤による負傷や疾病等に対する保険給付等により、労働者の福祉の増進を図るための法律です。
労災はここ数年は横這いまたは増加傾向にあります。このことは、労働者を取り巻く危険要因が、未だに多く潜在していることの現れです。また、年々高額化する労働者から企業への賠償請求も企業経営においては対策を講じなければならないリスクとなってきました。
2003年1年間で、従業員が労災に遭ったにもかかわらず労働基準監督署に報告しなかったり、うその報告をしたとして、労働安全衛生法違反で書類送検されるなどの「労災隠し」が全国で132件に上りました。厚労省の集計によると、91年は29件で、この10年余で約4・5倍に増加。
98年に79件、2001年には126件と急増し、02年は97件と、減少の傾向がみられましたが、2003年は大幅増に転じました。増加の背景には長引く不況もありますが、コンプライアンス違反に繋がることであり重大なものと考えなければなりません。
労働安全衛生法では、労働基準法と相まって、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。
この目的を実現するために
(1)労働災害の防止のための危害防止基準を確立すること
(2)労働災害の防止に関する総合的計画的な対策を推進すること
が第1条に定められています。
労働者が負った傷病等が業務上と認められるためには、その傷病等が業務に起因して起きたものでなければなりません。すなわち、その傷病等と業務との間に相当因果関係があることが必要です。これを「業務起因性」と呼んでいます。
一方、その傷病等が業務に起因したものであるとしてもその前提として、当該労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあることが必要です。これを「業務遂行性」と呼んでいます。
その傷病等が業務上と認められるためには、業務遂行性と業務起因性の2つの要素が必要です。
以下の判断より、業務上か否かが判断されます。
- 事業主の支配下かつ施設管理下にあり、業務に従事している場合(作業中、準備後後始末行為中、作業に伴う必要又は合理的行為中、生理的必要行為中、反射的行為中など)
→反証の事実が無い限り業務上
- 事業主の支配下かつ施設管理下にあり、業務に従事していない場合(休憩中など)
→施設に欠陥が無い限り業務外
- 事業主の支配下かつ施設管理下を離れて業務に従事している場合(出張中、配達中、外回り中など)
→反証の事実が無い限り業務上
なお、「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」では、過重労働によって疲労に繋がる労働時間の目安が次のように示されています。
- 発症前1か月間ないし6か月間に渡って概ね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど業務と発症の関連性が除々に強まる
- 発症前1か月間に概ね100時間時間外労働が認められる場合又は発症前2か月間ないし6か月間に渡って1か月当たり概ね80時間を超える時間外労働が認められる場合は業務と発症の関連性が強い
とされています。
勤務時間が長期にわたることで、疾病を引き起こす例も多くなっています。組織として企業が従業員の労働時間管理を確実に行い、健康を把握していく事が必要になります。

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