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労使関係上のコンプライアンス

「コンプライアンスがなぜ重要か」で述べたように企業の社会的価値を高めていくためにもコンプライアンスは非常に重要な意味を持っています。

しかしまだ従業員の権利を無視したり、違法な労働環境を容認するような会社経営を行っている企業も多くあります。

企業は人材こそが全てであり、従業員のモラル・モチベーションといったレベルをあげるためには従業員を大切にする事が重要です。つまり従業員の基本的人権を守ることはコンプライアンスの基本となります。

そういった意味で労働基準法を始めとする労働関連法を遵守することは、企業が生き残り、成長していくためにも不可欠となっています。

労働基準法とコンプライアンス


労働基準法は、雇用主が絶対に守らなければならない最低の基準を定めているのです。その遵守は「努力義務」ではなく、「絶対的な義務」であることを改めて認識する必要があります。

従業員の不正を防止するためにも、企業がまず従業員に対して、法律にしたがって適正な待遇をしなければなりません。この点をおろそかにすると、会社に不平不満を持った従業員が不正を行ったり、インターネット等を通じて企業の内情を暴露し、ひいては企業の社会的信頼を墜落させることにもなりかねません。

昔の考えからすると、サービス残業をしてくれる従業員は「忠誠心」があって良さそうに思えるかもしれません。

2003年はサービス残業で労働基準監督署から指導を受けていた会社は18,511社となり過去最高となりました。

【コンプライアンス違反の例】


日本マクドナルドホールディングス(HD)は、アルバイトの勤務時間と社員の時間外勤務について、これまで30分未満の部分を切り捨てて計算し、その分の賃金を支払っていなかったと発表しました。 厚生労働省は月間の総労働時間全体から30分未満の部分の切り捨ては認めていますが、同社は毎日の労働時間から30分未満の分を切り捨てていました。同社はアルバイトや社員約10万人に、過去2年間分の未払い分を返還することとしました。

同社によると、兵庫県内の労働基準監督署から「社員の超過勤務手当の計算方法が不適切だ」と改善を求められました。同社は直営店労働時間を1分単位で計算することに改めましたが、30分未満の部分の切り捨てについて、同社は「時期は不明だが、以前から行われていた」(広報)と説明しました。

同社は労働基準法に基づき過去2年間の未払い分を支払うこととなりました。


日本郵政公社(本社・東京都千代田区)で2004年10―12月を中心に、管理職を除く職員約5万7000人に総額約32億円分の不払い残業があり、1人平均約5万6000円の不払い分を追加支給していたことがわかりました。

同社によると、簡易局を除いた全国の郵便局と本社・支社全部局で実態調査した結果に基づき支給しました。同社人事部は「不払い残業はあってはならないもので、根絶を目指す」としています。

同社は2004年、福岡県で複数の郵便局が労働基準監督署から是正指導を受けるなどして不払い残業が問題化し、12月には日本橋郵便局の現職課長代理が「ずさんな労働時間管理でサービス残業を強いられた」と約252万円の支払いを求め、東京地裁に提訴しました。


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